母として思うこと

昨年のGW。ポジション変更を打診された長男が相談に帰ってきた。

高校の監督に「彼は優しいから、どこまでいけるか……」と言われていたので、いつかこういう日が来ると、心のどこかで覚悟をしていた。冷静に対応しようと思ってはいたものの、彼の悔し涙を見て、大学でフットボールを選ぶと言ったとき、頑なに辞めるよう言えばよかったと自分を責めた。アタマでは分かっていたが日本一を目指す体育会は、精鋭だけで戦う組織であるという現実を突きつけられた。


監督から言われたこと

1) チャンスを与えたのに結果を出せなかった

2) 現在のポジションには、下級生に全国でも屈指の選手が入ってくる。そんな中で使えるめどはない。練習でも使えないかもしれない

3) ポジション変更するか、スタッフになる

選択肢は3つ1)退部2)ポジション変更3)許されるかわからないがそのままのポジションで頑張りたいと申し出る


夫とそれぞれの判断を下すに際してのメリット、デメリットを伝え冷静に対話し、最終的には本人に決断させた。結果、練習でも使えるかもわからないと言われた3)を選択した。

わたしならば、そんな未来がない組織にいれない。即刻退部して留学する。(本人にもこの選択肢は与えた)息子自身、東京にいる間、相当こころが揺れていた。結果、東京では判断できず、滋賀の自宅で冷静に考え監督に伝えた。幸い申し出は受け入れられた。


今年のゴールデンウィーク。彼は帰ってこなかった。もしかしたら今年は監督が変わったのでもう一度言われるかもしれない。そんな不安がずっとこころの中に残っていた。東京開催の春の交流戦は人数を絞ってやってくる。夫に帯同すると連絡が入り、正直驚いた。どんな役回りでもこの目で観たいと思い、観戦にいくと、背番号を付けてショルダーを付け、同期のQBに全身でサインを送っていた。ちょっと滑稽に見えた(笑)。しかし、この子、アメフトやっている!チームで機能しているのだという実感がとても持てた。

「勝ってよかったね」とLINEを送ると「よかったです」と。昨年までは「はい」と言う返事だった。この「よかったです」に当事者意識を感じた。


スポーツをしている子どもを持つ親ならば、できるならば子どもに大活躍してほしいと願うだろう。夫が大活躍する姿を目の当たりにし、大声で応援した経験を持っていたわたしにとってはぶっちゃけ、受け入れがたかった。しかし息子は夫ではない別人格。嬉しいことに彼もやっぱりフットボールが好きだった。自分で選んだ環境で何かを培ったのだと、一年たった今になって思える。


社会問題になってしまった日大の選手のラフプレイ。ひとり挑んだ会見で「自分にはフットボールをやる権利がない」と彼は言った。一本目で戦いたかった彼にとって、選択肢は最悪なもので、むしろなかった状況。結果この重たい言葉。あのような行動をとり、自ら放棄せざるを得ない状況になってしまった。残念、残念で無念だ。フットボールを面白いと思っていたのに、本当にほんとうに無念だ。

スタンフォード大学の日本人コーチがその書籍で警鐘を鳴らしていた。読後、いまの日本で彼のいう改革は難しいでしょ……と思っていたが、これを機に少なくとも早急に日本版NCAAを立ち上げるべきだ。すでに動きがあるようだから、彼のことを思うのであれば、胸が痛いとか言っている場合ではない。一日も早く行動するしかない。関係者のみなさん何卒、何卒よろしくお願いいたします

Try Everything!

Til I reach the end and then I'll start again No I won't leave, I wanna try everything I wanna try even though I could fail

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